ファッションの自由という点からすれば、現代の女性はたいそう幸せです。昼間は働く女性として、男性たちのなかでマニッシュな装いをし、プライベートな時間では、思い切り女らしく決める。トラベルを楽しむオシャレもできるし、スポーツを楽しむ解放感も味わえます。五、六十年前までの女性と比べたら、なんと豊かにファッションを楽しめることの自由を謳歌していることでしょう。


いろいろなファッションをする時分に出会う、その揺れ幅が大きいだけに、逆に装いの主体性ということが大切になってきます。
今、こんなファッションが主流です。とか、最新流行はこの服。などといった情報に、私たちは取り囲まれています。でも、情報とはあくまでも他人が作ったデータにすぎません。
無条件に受け入れることなく、本当に自分に必要かどうか、取り入れるか・取り入れないかは、よく検討してからにしましょう。


ファッションの自由は、自分の意志で手に入れるべきものです。短いスカート丈が流行れば、自分に合う・似合わないにかかわらず、すぐ飛びつき、長いスカートが流行ると、昼間からぞろりと長いスカートで仕事をするのでは、どこにも自身の意思で着るという主体性がありません。どんなときに、どんな服を選び、着るかということは、知識や情報だけでなく、生きていく上での反射神経のようなものではあにでしょうか。
選ぶことは、自分自身についての全人間的な反応だと思います。そういう主体性のある選択を通らない限り、人と服とはなじまず、美しくもありません。